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15年戦争への強いこだわり

東京東部法律事務所  加藤 芳文

 私は1946年1月生まれ、つまり戦後っ子第1号。
 実家は8月2日の水戸空襲で丸焼け(B29編隊160機が午前0時31分より2時16分まで1145トンの焼夷弾投下、死者242名、重軽傷1293名)
 防空壕が危なくなり飛び出して助かったけど、グラマンの機銃掃射が当たったらおまえは生まれなかったとお袋に何度も言われた。(グラマン操縦手の笑う顔が見えたとも。いくら何でもウソだろうと思っていたら東京大空襲で同じ話あり驚く。)
 1万メートルを超す沖合から艦砲射撃も受け目の前通過、隣の押入れに。
 と言うわけで、戦争へのこだわり強く憲法学習会では「戦争の実相を知らずして平和を語るなかれ」が私のモットー。(ちょいと厳しいか知れないけど)いつも戦争の話を欠かさずしている。
 こないだは地域の9条の会で「15年戦争に学ぶ 平和憲法を守ろう」と題して講演したが、聴衆は被害の大きかったアジア太平洋戦争(空襲、沖縄、原爆)はある程度知るも、加害責任の大きい日中戦争をあまり知らないと思い、日中戦争を中心に話した。(南京大虐殺、三光作戦、100人斬り競争、徐州会戦、重慶無差別爆撃 etc )

 私の話は概要、次のとおり
①まず大日本帝国憲法のさわりを説明
 天皇主権・・・万世一系、神聖、陸海軍統帥、戒厳令
 臣民の権利義務・・・法律の留保、兵役義務 etc
 つまり天皇が主人公で臣民は赤子、戦争できる憲法
②56年間で7回の戦争をしたこと(8年に1回) br  満州事変以降は戦争しっぱなし。「15年戦争」
③教育勅語で洗脳したこと
 教育による洗脳と、マスコミ(当時は新聞とラジオ)の扇動、治安立法による弾圧は人民を戦争に駆り立てる3つのツール
④「宣戦の詔書」(太平洋戦争)も詳しく説明
 戦争をする者は必ず「平和の美名」を口にする
 天皇の戦争責任
⑤敗戦と日本国憲法の誕生
 75年間政府は戦争できず→帝国憲法との極端な対比を強調
 但し、安保条約との相克あること(平和憲法危うし)
 若い頃から趣味で戦前のナマの資料を多数収集してきたが、それを憲法学習会で使っている。宝は天皇制ファシズムの元凶となった「国体の本義」と「臣民の道」(文部省編纂)。東条の悪名高き「戦陣訓」、各種「修身教科書」(女子用修身教科書)等。
 団員にも、戦争の実相をあまり知らない方が増えていないか心配な今日この頃ではある。(私の場合B29に家を焼かれたことが、15年戦争に対する強いこだわりの原点となっている。)


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