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新人紹介

守屋智大(旬報法律事務所)

 私は、今年1月に旬報法律事務所へ入所しました、76期弁護士の守屋智大と申します。この度、新人紹介を執筆させていただく貴重な機会をいただきましたので、私が法曹になった経緯に結び付けてお話しします。
 私は、大学に進学した当初から法曹を志望していたわけではありませんでした。社会の仕組みや課題を幅広く学びたいと思い、社会学部を選択しました。社会学部では、18世紀の近代国家の誕生、19世紀の社会運動の展開、20世紀の福祉国家の成立、そして21世紀のグローバル社会における世界の変貌という歴史の流れを学びました。また、ロールズをはじめとする様々な現代政治理論を踏まえ、現在や将来の社会を分析して議論を重ねました。その過程を通じて、私は、数えきれない歴史の経験や教訓を通じて人類が獲得してきた積み重ねの上に現代の社会が成り立っていることを認識しました。また、過去から未来へ続く大きな歴史の時間軸の中に現代の社会を位置づけ、分析・検討することの意義や興味深さを体感しました。
 この経験から、私は、自らの進路選択においても、現在の社会が抱える課題の解決に寄与し、将来に向けてよりよい社会の構築に貢献したいと考え、弁護士であればそれが実現できるのではないかと思ったことがきっかけとなり、法曹を目指すことを決意しました。

 私が入所した旬報法律事務所は、労働事件を専門的に取り扱う事務所です。労働は、社会を生きる個人一人ひとりが自分らしく生きるために必要不可欠な活動であるにもかかわらず、実社会では労働事件が後を絶たちません。労働事件の解決に携わることが、現在の社会が抱える課題の解決の一助となり、将来の社会を構築する礎になると私は考えています。また、課題に取り組むにあたっては、比較法的視点や隣接諸科学の視点を忘れずに持ち合わせることによって、根源的な解決を目指していきたいと思います。

 現在は、医師の労災事件に取り組んでいます。被災者の医師は、長時間にわたる宿直や外勤をこなした末にくも膜下出血を発症し、6年以上経った今も入院中です。労基署やその後の審査では、被災者の負荷が適切に評価されず、労災不支給決定処分が下されたため、現在は取消訴訟を提起しています。弁護団の先生方に熱心なご指導をいただきながら、書面を作成したり期日に参加したりして、弁護士としての活動を行っています。また、本件では、人生で初めて記者会見に参加し、その様子が当日夜のニュースで放送され、インターネットで反響を呼んでいる様子を見て、弁護士の活動と社会の繋がりを実感する貴重な機会を得ることもできました。引き続き、適切な判決の獲得に向けて、尽力してまいります。

 弁護士になってから1年近くが経ちました。事件の処理に追われ、新しい知識に圧倒され、忙しさを感じながらも、最近は少しずつ自己の成長を感じる機会も増え、充実した日々を送っております。まだまだ未熟ではございますが、将来の社会がよりよいものになるように、実務に取り組んでまいります。今後ともご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。


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