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新人紹介

北千住法律事務所 金 思明

 北千住法律事務所の金思明(きむさみょん)と申します。75期で、2022年12月より、当事務所で弁護士として働き始めました。

1.布施辰治弁護士との出会い
 私は、幼少の頃より社会問題に関心を持っていましたが、大学に入ってから本格的に多くの社会問題について学び始めました。私が大学生だった2000年代は、従軍「慰安婦」等の歴史問題、9.11、アフガン・イラク戦争、沖縄基地問題、労働者派遣法の改正等、今に繋がる・今も解決されないでいる社会問題が頻発していた時期であったように思います。他方で、それに対する社会運動も隆盛していました。
 このような状況下で、大学生の私は、自分の将来について大いに悩みました。ちょうど当時は、『GO』や、『パッチギ!』等の在日コリアンに関する文芸作品も出されており、在日コリアンはどう生きていくか、みたいなものがよく論じられていました。その影響もあったかと思います。
 そのような中で、布施辰治弁護士の存在を知るに至りました。戦前に朝鮮人のために社会運動に取り組んでいたという点だけでも驚いたのですが、「生きべくんば民衆とともに、死すべくんば民衆のために」という、この端的で力強い意思表示は、大学生の私の心に深く響きました。そして、布施辰治弁護士の言葉を一助に、社会運動に携わって行こうと、自分の生き方を決めました。

2.弁護士を目指したきっかけ
 ただ、すぐに弁護士になろうと思ったわけでありません。将来について考えていた際、大学の先輩に、「キム君、弁護士になってはどうか」と助言いただいて、その路線も考えていましたが、他方で、朝鮮史・在日朝鮮人史を研究する歴史学者になるのはどうだろうかとも思っていました。そのような形で迷っている中、東京都に枝川朝鮮学校の運動場の土地が取り上げられるという事件に出会いました。不当な行政権力の行使を止める弁護士という存在が強く印象に残り、最終的には弁護士の道を選ぶこととしました。
 その後、司法試験には非常に(本当に非常に)苦労して超長期の浪人生活を経てしまいましたが、2022年にようやく弁護士となることができました。

3.自由法曹団に入った理由
 このような経過をたどっていますので、自由法曹団に入ることは、私にとっては当たり前のことでした。事務所の先輩に誘われまして、自然とそのまま加入したという感じです。
 いまは日々、事件に追われていますが、楽しく、やりがいを感じています。布施辰治弁護士のようにというのはおこがましいですが、「生きべくんば民衆とともに、死すべくんば民衆のために」の言葉を一助に、事件に取り組んでいきたいと思います。

4.弁護士として取り組んでいきたいこと
 中心的に取り組みたいと思っているのは、差別事件・入管事件と過労死等を含めた労災事件です。差別を放置すれば社会が壊れてしまうこと、入管は移民の自由を根本的に侵害するものであること、労災は労働者の生命・心身を侵害するものであることという理由から、それぞれ非常に重要だと考えています。これらの種の事件には、周りの先生方のご協力もあり、実際に関わらせていただいております。
 今後、生涯掛けて人権問題に取り組みたいと考えていますが、自由法曹団の皆様のご指導・ご鞭撻をいただきながら、自己研鑽を積んで、良い弁護士になりたいと思っています。これからよろしくお願いします。


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