新人紹介
東京法律事務所 伊能 暁
1 自己紹介
はじめまして、東京法律事務所の伊能暁と申します。
修習は、72期で入りましたが、妊娠出産のため73期に終えました。
今年1月、予定の1年遅れで東京法律事務所に入所し、自由法曹団に入団しました。1年間待っていてくれた事務所には、感謝の気持ちでいっぱいです。
生まれは中野区高円寺で、小学校6年時に国分寺に引越して以降、ずっと多摩地域で生活してきました。先月、御徒町にある祖母宅の跡地に引越してきたところです。
2 弁護士を目指した理由とやりたいこと
大学時代、外国を旅していたときに、嫌でも自分が日本人であることを自覚し、それなら日本人としてできることがしたいと思ったのがきっかけでした。弁護士になって法整備支援をやりたいと思いました。
その後色々な出会いや勉強を重ねる中で、日本で働いて「普通の」生活をすることが困難な人たちがこんなにいるんだ、ということを知りました。現在は、一人でも多くの人が「普通の」暮らしができるように、少しでも役に立ちたいなあという気持ちで働いています。
また自分に子供ができてから、子供の虐待事件にこれまで以上に強い怒りを感じるようになりました。そこで、弁護士会が主催する子供のLINE相談会担当に加わるなど、子供の虐待を少しでも減らすためにできることを探しています。
3 今後の抱負―初めての刑事事件を経て
先日、初めての刑事事件が終了しました。薬物事犯でしたが、追起訴等でなかなか期日が入らず、逮捕から約3か月後の公判となりました。
当初は、接見に行っても中毒症状のためにご本人とは全く意思疎通ができず、ご両親に連絡するも梨のつぶてであり、私は途方に暮れました。弁護方針の見当がつかなかった私は、『刑事弁護ビギナーズ』や『情状弁護アドバンス』の記事を読み、そもそも私は、どんな弁護人になりたいのか、依頼者の更生を目指すべきか?それとも淡々と弁護人としての役割に徹するべきか?と悩み出しました。
今は、そんな悩みは全くの無駄だったなと思っています。やってみないことには何も分かるはずはないからです。
結局この事件は、ご両親や出所後に治療を受ける予定の施設長に証人に立ってもらうことができ、判決はどうなるにせよ、自分ができることはやれたかなあと感じています。
私は、この刑事事件をとおして、法律家としてという大きな限界はあるけれども、依頼者のために自分の信じた最善をつくしていきたい、そういう弁護士でいたいと感じました。
この初めての刑事事件で学んだ初心を忘れず、これからも頑張っていきたいと思っています。
今後とも、ご指導よろしくお願い申し上げます。