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新人紹介

城北法律事務所 和田 壮一郎

1.自由法曹団を知ったきっかけ
 ロースクールに入学した直後くらいから,青年法律家協会という団体を知りました。いろいろな講演会・学習会に参加し,様々な弁護士と触れ合う中で,自由法曹団という団体があり,人権や民主主義のために活動していることをなんとなく知りました。
2.弁護士になったきっかけ
 小学校のときに,「最後の弁護人」というあまり有名ではない弁護士のドラマを見ました。刑事弁護人のドラマで,事務所の家賃が払えないくらい貧乏という設定程度で詳細は覚えていないのですが,とにかく誰もが有罪と信じて疑わない人物に光を見出していく姿勢にひどく共感を覚えました。このドラマをきっかけに弁護士という職業を知りました。
 もっとも大学生までは,困っている人を個別に助けることが弁護士の任務なのだろうと漠然と考え,弁護士の活動が社会的問題につながる活動だという認識はありませんでした。
3.大学から法科大学院
 大学生になり,大学1年生から法律の勉強ばかりすることに嫌気がさした私は,貧困や福祉,原発など社会問題を研究するとても変わったサークルに入りました(このサークル出身で弁護士になった人は,90%の確率で団員になります)。社会の矛盾に初めて目を向ける機会を得ながらも今までの志望の延長で弁護士となるために,2017年にロースクールに進学しました。
 一つの思い出としてロースクールでの企画で,入管問題に取り組んでいる弁護士会の委員会に参加させていただきました。そこで見聞きした入管でのひどい外国人の拘束の実態を忘れることはできません。人を拘束することをこんなに簡単にやってしまっていいのか,なぜ自分はこのようなひどい人権侵害を知らずに生きてきたのだろうと思いました。今まで,私は日本社会はある程度,人の権利を重んじる社会だと信じてしまっていました。そうした信頼がガラガラと崩れるような感覚でした。さらに,私がロースクールに入学した年は,ちょうど集団的自衛権行使の容認が問題となっていたころで国会前に人が大勢集まっていた場面を見に行き,国政に意思表示をする姿に共感しました。自由法曹団の弁護士も大勢出動していたことを聞いて,弁護士としてこのような活動をしてみたいと考えるようになりました。こうした出来事をきっかけに弁護士として社会的問題に取り組みたいという考えが強くなりました。
4.弁護士として取り組んでいきたいこと
 まず挙げられるのは,弁護団として取り組んでいるHPVワクチン薬害訴訟です。子宮頸がんを予防する目的で若年層の女性に打たれたワクチンの薬害を問う裁判です。被害の大きさに驚くと共に,周囲に詐病扱いされる苦しい立場には,非常に憤りを覚えます。まだ,勉強中ですが,利権を求める大企業の姿勢には,過去の薬害事件と共通のものを感じます。
 また,やはり地域の活動にもっと携わっていきたいです。地域の労働組合が活発になればもっと労働環境が変わるのではないかなど日々考えたりしています。先ほど挙げた入管問題も取り組みたいと思います。
 最後に同じ事務所の先輩の受け売りですが,人権活動を弁護士会などだけではなく(弁護士会の活動ももちろん素晴らしいものですが),自由法曹団に入って取り組む意味は今ある制度の中での救済を超えて,活動できるところにあると思います。弁護士としての研鑽を積み現在の法令・判例を踏まえ正しく依頼者に見通しを伝えられる実力をつけたいと思う一方,現在見落とされている被害を掘り起こし,社会に訴えていく情熱を持っていたいと思っています。


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