自由法曹団 東京支部
 
 
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団支部の活動紹介

高市自維政権の衆議院の議員定数削減法案提出に反対し、民意を反映する選挙制度を求める支部長声明

2026年3月6日
自由法曹団東京支部
支部長 滝沢  香

 1 2026年3月2日、日本維新の会の中司宏幹事長は、自民党の鈴木俊一幹事長らと都内で会談した。会談後日本維新の会は、衆議院議員定数を比例で45議席削減(現行定数465議席)する案を自民党と詰めの協議を急ぎたいなどとして3月前半の提出を目指すと、その方針を述べている。
 昨年度の臨時国会で、日本維新の会と自民党は、与野党で協議して1年以内に結論が得られない場合は、小選挙区25・比例20議席を自動的に削減する法案を提出したが、審議入りせず継続審議となり廃案となった。
 今般提出される予定の法案も同様に、法施行から1年以内に与野党で協議して選挙制結論が出ない場合は比例代表議席45のみを自動的に削減する方針を検討している。

2 しかし、議員定数を削減すべき立法事実は存在しない。そもそも、衆議院の選挙制度が小選挙区と共に比例代表並立制となっているのは、少数者の多様な民意を反映し、国会で充実した審議を行うためである。また、日本の国会議員数は、人口100万人あたりの国会議員数は5.7人であり、OECD(経済協力開発機構)のうち、4番目に少なく、イギリスの約4分の1、OECD諸国平均の半分以下であり、多様な国民の民意を反映することができないものである。
 加えて、なぜ比例代表議席のみを削減するのか、なぜ45議席を削減するのか、その立法事実は示されていないのである。

3 現在の選挙制度は、小選挙区が中心となっており、死票が多く、民意が反映されがたい選挙制度になっている。2026年2月8日に投開票が行われた衆議院議員選挙では、自民党の比例代表の得票率は36.72%であったにも関わらず、定数の3分の2以上を自民党が占める結果となっており、多様な民意が国会審議に反映されているとはいい難いものになっている。
 多様な民意を反映するためには、議員定数を削減するのではなく、むしろ小選挙区制を中心とした選挙制度自体を改革すべきである。
 また、昨年度の法案提出時に、日本維新の会と自民党は、「身を切る改革」を強調したが、歳費の削減をするのであれば、政党助成金を廃止する方法が効果的である。

4 以上のとおり、衆議院議員定数を比例で45議席削減する法案は、立法事実がないにもかかわらず、多様な民意を切り捨てる結果となり、断じて賛同することはできない。加えて、議員定数は国民の代表となる議員を選出するための議会制民主主義の根幹をなすものであり、与党の一存で決めるべきものではない。
 自由法曹団東京支部は、民主主義を擁護する法律家団体として、本法案の提出に反対をする。

以上


 
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