自由法曹団 東京支部
 
 
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団支部の活動紹介

今国会で企業・団体献金禁止等の政治資金規正法改正を求める声明

 2022年以来、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題が本格的に発覚し、2024年10月の総選挙で裏金問題に対する国民の怒りの審判が下され、自民党・公明党の与党が過半数を割る結果となった。しかし、組織的な裏金作りの真相や裏金の使途は未だに明らかにされておらず、これを防ぐ手立ても講じられていない。
 企業・団体献金については、1994年の政党助成法成立と引き換えに企業・団体献金の対象は絞り込まれ、献金先は政党に限定されるようになった。
 しかし、日本経済団体連合会(経団連)は会員企業に呼びかけ多額の献金を自民党に行い、献金とは別とされるパーティー券も積極的に購入してきた。そして、毎年政策要求を出し、会員企業から審議会委員も出て、政府の政策決定に直接間接を問わず関与してきた。このもとで、自民党は法人税減税・消費税増税、社会保障費削減を始めとした大企業優遇のゆがんだ政治を長年にわたって行ってきた。
 2022年4月12日に経団連が発表した「防衛計画の大綱に向けた提言」は大軍拡に道を開く同年12月16日の「安保三文書」につながり、さらに「安保三文書」に基づく大軍拡路線の推進の中で、自民党に献金をした企業が、政府の有識者会議のメンバーとなって政策に関与し、政府から多額の防衛装備品の発注を受けている。まさに、一部の企業が政治をカネで買う不公正な還流構造ができあがっている。企業・団体献金が、憲法違反の「戦争する国づくり」のおおもとになっていると言っても過言ではない。
 このような政治腐敗の根源である企業・団体献金は全面禁止が必要である。そして、パーティー券収入は「第二の企業・団体献金」となっていることから、ここにも禁止の網をかぶせる必要がある。
 今国会では、政治資金規正法の再改正に関連し、企業・団体献金を温存する自民党案と、パーティー券購入も含めた企業・団体献金の原則禁止をうたう野党の法律案とが複数提出されている。しかし自民党案のように、政党に1000万円超を寄付した場合にのみ名称及び寄付額等を公開させるだけでは、政治腐敗根絶の実効性がないことは明らかである。これに賛成し、企業・団体献金の存続に手を貸すことはもはや許されない。
 自由法曹団東京支部は、政治腐敗の即時かつ恒久的な根絶のため、そして、市民に公正な政治を取り戻すため、法律により企業・団体献金をはっきり禁止することを求め、そのための大同団結を期待し、全力を尽くすものである。

2025年3月13日
自由法曹団東京支部 支部長 滝沢香

 
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