自由法曹団 東京支部
 
 
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団支部の活動紹介

日本とアメリカが軍事的に一体化する動きに抗議し、憲法改悪阻止に全力で取り組む決議

 自由法曹団東京支部は、岸田政権による安保三文書及び敵基地攻撃能力を具体化する動きにたびたび抗議をしてきた。
 2024年4月10日に発表された日米首脳共同声明では、「地域の安全保障上の課題が展開する速度を認識し、日米の二国間同盟体制がこうした極めて重要な変化に対応できるようにするため、我々は、作戦及び能力のシームレスな統合を可能にし、平時及び有事における自衛隊と米軍との間の相互運用性及び計画策定の強化を可能にするため、二国間でそれぞれの指揮・統制の枠組みを向上させる意図を表明する。」とある。これは敵基地攻撃能力を実行に移すための当然の帰結といえる。
 この「指揮・統制の枠組みの向上」に関して日米は中身の検討を進めている。
 日本側は、本年5月に成立した改正自衛隊法により、陸・海・空の自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部を今年度中に創設する。これに対応して在日米軍は、新たに統合軍司令部を設け、陸・海・空・海兵隊を統合指揮できるようにすることが計画されている。
 岸田首相は、国会での答弁で「米軍と自衛隊の指揮系統はそれぞれ独立している」と繰り返しているが、情報、装備の点で圧倒的に優越的な力を持つ米軍と「作戦及び能力のシームレスな統合」を図るならば、自衛隊が対中国軍事戦略を推進する米軍の事実上の指揮下に組み込まれることになることは明らかである。
 こうした自衛隊が米軍と一体化することによる憲法9条の平和主義の実質的壊憲の動きに加えて、明文改憲を加速する動きについても危機的な状況にある。
 衆議院憲法審査会は、閉会中審査を行うための同幹事懇親会を2024年6月27日に行うことを会長の職権で決めた。結果的には、立憲民主党などの反発により開かれなかったが、強引に改憲に向けて議論を進めようとする姿勢が目立った。
 岸田首相は、以前から自身の任期中に憲法改正の発議を行うことを明言していた。2024年8月7日も自民党本部で開かれた憲法改正実現本部の全体会合で「憲政史上初の国民投票にかけるとしたならば、緊急事態条項と合わせて自衛隊明記も含めて国民の判断をいただくことが重要だ」と発言し、改憲議論を推し進める考えを示した。
 その後、岸田首相は自民党総裁選に立候補しないことを表明したが、自民党をはじめ改憲勢力が明文改憲を推し進める考えを捨てていないことは明らかである。

 自由法曹団東京支部は、自衛隊の米軍との一体化に反対するとともに、明文改憲を推し進める動きに反対する運動の中心となって改憲阻止に全力で取り組むことを宣言する。

2024年8月24日
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