自由法曹団 東京支部
 
 
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団支部の活動紹介

大企業利益優先・都民軽視の都政から都民が主人公の都政へ転換のため都知事選挙に全力をつくす決議

 東京都選挙管理委員会は、本年7月30日の小池都知事の任期満了に伴う都知事選挙について、6月20日告示、7月7日投開票とする日程を決定した。小池都知事は、就任以来、都民の声を無視し、「稼ぐ東京」「国際金融都市」「東京大改造」など大企業優先の都政を推進している。
 2022年7月1日、都内8つの都立病院と6つの公社病院すべてが「地方独立行政法人東京都立病院機構」に運営が移行され、独法化に至った。これまで都立病院等は、感染症医療、救急医療、小児医療、周産期医療、精神医療、難病医療など、採算をとることが難しい医療提供を役割として担っていた。しかし、独立行政法人は経営効率が優先される制度であるため、独法化により、採算をとることが難しい医療の提供の中止や職員の人件費削減などが行われ、都民が必要な医療を十分に受けることが困難となる。
 明治神宮外苑の再開発については、日本イコモス国内委員会や国際環境影響評価学会の日本支部などが、多くの樹木が伐採されるとして見直しを求めているが、小池都知事は、再開発への批判を「ネガティブキャンペーン」、「プロパガンダ」等と評価し、必要性や公益性などの説明を果たしていない。また、日比谷公園再開発は、超高層ビル建設を狙いとした、ゼネコンや大企業の利益のためのものである。
 特定整備路線については、現在都内全域で28本の道路建設が進められている。戦前に計画され70年間放置されたにもかかわらず突如2017年に都が進めた。道路建設が進む各々の地域の住民からは居住が奪われることや街の分断、自然環境への懸念から反対の声が起こっているが無視して進められている。背景には道路建設や再開発を担うデベロッパーの利益がある。
 羽田新ルートの運用についても、飛行ルート周辺の住民から騒音や落下に対する不安の意見が出されているにもかかわらず、未だに容認し続けており、許されるものではない。
 他方で、物価が高騰し都民の暮らしが窮しているにもかかわらず、健康保険料は過去最高額への引き上げに踏み切った。教職員や保育士不足についても、全く具体的な政策を講じようとしない。英語スピーキングテストは、保護者や教職員らの反対を押し切り行われたが、これによって国際競争力をつけた人材づくりが目論まれている。
 多摩地域のPFASによる汚染問題については、主要な汚染源の一つとして、2012年10月11日に発生した横田基地内でのPFAS含有泡消火剤漏洩事故が挙げられているため、基地周辺のモニタリング用井戸の再調査や周辺の土壌汚染調査、基地内に立ち入っての汚染調査が求められているが、小池都知事は汚染源の解明に消極的な姿勢を取り続けている。
 2023年11月29日には横田基地所属のオスプレイが屋久島付近で墜落する事故が発生し、都民がオスプレイの飛行停止や撤収を求めているにもかかわらず、何ら対策をとろうとしない。
 このように、小池都政は、大企業利益優先の政策を推進する一方で、都民の暮らしに寄り添った政策は講じようとしない。本年の都知事選挙では、都民のための都政の実現を目指して、小池都知事に代わり、新たな都知事の就任が求められている。
 自由法曹団東京支部も、真に都民の声に耳を傾け、都民が主人公の都政を実現する都知事が当選するよう全力をつくす。

2024年2月23日
自由法曹団東京支部総会
 
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