自由法曹団 東京支部
 
 
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団支部の活動紹介

南西諸島の要塞化に反対し、島々を再び戦場にさせない声明

 沖縄県の国土に占める面積割合は僅か0.6パーセントにすぎないにもかかわらず、県内には国内の米軍専用施設の7割が集中しており、安全保障を名目に沖縄県民には過大な負担が課され続けてきた。
 1972年に沖縄が本土に復帰してから51年が経過したが、沖縄県民に課される軍事施設の負担は軽減されるどころか、昨年末の閣議決定された「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」(いわゆる安保3文書)の閣議決定により、ますます重くなろうとしている。
 安保3文書は、従来の専守防衛の理念を覆し自衛隊の敵基地攻撃能力の保有を容認するものであるが、加えて、政府は、敵国の領域内で敵基地及びその指揮統制機能への攻撃を可能とする長距離弾道ミサイル等の武器の配備を強行する意思を明らかにしており、南西諸島にスタンド・オフミサイル等の敵基地攻撃を実現する武器・装備が配備され南西諸島の軍事基地化が一層進むことが必至の情勢となっている。
 軍事基地を集中させることは、相手国からの攻撃を集中させるおそれを招くものであることは言うまでもない。集団的自衛権を容認した戦争法制が整備された現在の日本の有事法制の下では、米国が仮想敵国と想定する中国と米国との軍事紛争や台湾有事への米国の参戦等により、軍事基地が集中する南西諸島は攻撃の対象とされ、再び戦場となりかねない。沖縄県民が再び戦争の犠牲になることは平和主義を標榜する日本国憲法のもとで絶対に許されるものではない。
 自由法曹団東京支部は、政府が推し進める南西諸島の要塞化に反対し、島々が再び戦場にされないよう平和を願う沖縄県民と連帯し、平和憲法実現の運動に邁進していくことを誓う。

2023年8月26日
自由法曹団 東京支部支部長 野澤 裕昭
 
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