自由法曹団 東京支部
 
 
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団支部の活動紹介

9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への小池東京都知事の追悼文拒否への抗議声明

 関東大震災時に殺害された朝鮮人犠牲者を追悼するため、横網町公園に1973年、朝鮮人犠牲者追悼碑が建立され、40年以上追悼式が行われてきました。震災当時、朝鮮人が武装蜂起や放火をするといったデマで、自警団や軍隊、警察による殺傷事件が起き、内閣府中央防災会議では殺害された朝鮮人被害者は1000人〜数千人であり、震災死者(約十万五千人)の1〜数%と指摘しています。この追悼式は、過去に日本人が行った行為を直視し、虐殺犠牲者を悼み、二度と繰り返すまいと誓うためのものであり、歴代の都知事も式典へ追悼文を送付してきました。
 しかるに、小池百合子都知事は、就任の翌2017年の式典への追悼文の送付を取りやめ、本年開催の追悼式にも同様の対応を取り続けています。同知事は「慰霊大法要で、全ての犠牲者と追悼している」ことを理由としていますが、自然災害の犠牲者と虐殺の犠牲者を同様に扱うことが適切ではありません。就任後に同知事が、追悼碑にある犠牲者数などについてはさまざまな意見があると述べ、虐殺についても諸説あるかのような極めて消極的な姿勢を示していることからすると、追悼拒否の真の理由が「虐殺否定論」を支持することにあるのは明白といえます。このような態度は、特定の誤った価値観に基づくものであり、行政の中立とは相反するものであるといわざるをえません。
 自由法曹団東京支部は、小池東京都知事が、本追悼式の追悼文の送付を拒否し続けることに強く抗議し、朝鮮人犠牲者に対する追悼の意を表明することを求めます。

2021年9月29日
自由法曹団東京支部
支部長 黒岩哲彦
 
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