自由法曹団 東京支部
 
 
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団支部の活動紹介

コロナ禍の下で命とくらしを最優先する政策への抜本的転換を求める決議

 新型コロナは世界全体の累計感染者が1億2000万人を超え、日本国内においても累計で42万人以上の感染者と7500人以上の死者が出ており、その影響は様々な分野に及んでいるが、各国、各地方において一様ではない。
 この間、新自由主義的政策が国内でも推し進められ、特に安倍自公政権において顕著となり、消費税増税とセットでの減税をはじめとする致せりつくせりの大企業への利益誘導、国保料、医療費、介護費等の負担増の強化、生活保護費や年金等の社会保障費の一層の削減、保険医療、公衆衛生、社会福祉分野への公的支出の削減等の結果、格差拡大と貧困がもたらされた。こうした中でのコロナ禍は、特に社会的・経済的弱者を襲っており、個別の様々なコロナ対策とともに新自由主義的政策それ自体を抜本的に転換し、命とくらしを最優先する政策が求められた。
 しかし、国政においてそのような抜本的転換の方向性は見受けられず、デジタル化といったコロナに便乗したかのような政策を推進しようとしている。
 また、都政においても、検査や医療体制の拡充等に消極的な態度は変わらず、事もあろうに、コロナ診療の中心的役割を担っている都立病院・公社病院を地方独立行政法人にするという独法化に固執している。患者にも医療従事者にも不利益しかない独法化は絶対に許されない。外環道、特定整備路線等の大型開発も従前通り進めており、コロナ対策に必要な財源を十分確保しているとは言えない。2021年夏の東京五輪は直ちに中止を決定し、東京都の組織力、財政力を新型コロナウイルスの対策に集中すべきである。
 私たち自由法曹団東京支部の団員は、国政・都政の不作為又は不十分な政策を放置することなく、様々な分野で市民とともに声を上げ、要求活動をし、その一部は実現されるに至っているが、まだまだ不十分である。
 コロナ禍でさらに可視化された格差拡大と貧困を克服していくためには、幸福追求権(13条)、営業の自由、居住移転の自由(22条)、生存権(25条)、財産権(29条)、学習権(27条)を保障している憲法を生かす政治が国政でも都政でも必要不可欠である。
 自由法曹団東京支部は、コロナ禍の下で命とくらしを最優先する政策への抜本的転換を求めるとともにそのために奮闘することを表明するものである。

2021年2月26日
自由法曹団東京支部第49回定期総会
 
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