自由法曹団 東京支部
 
 
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団支部の活動紹介

オスプレイの米軍横田基地への配備強行に抗議する

 アメリカ政府は,2015年5月,日本政府に対し,CV−22オスプレイを東京の米軍横田基地に配備することを通告した。当初は2017年中に3機を配備するとされていたが,配備計画自体は2019年10月〜2020年9月に延期されたはずである。
 それにもかかわらず,2018年4月3日,突如,米軍オスプレイの横田基地(東京都)への配備前倒しが公表され,4月4日,横浜市の米軍港湾施設に5機のオスプレイが陸揚げされ,翌4月5日には米軍横田基地に飛来した。
 オスプレイは,敵地の強襲作戦や要人の暗殺,拉致,対テロ作戦などの特殊作戦を任務とする機体である。このような特殊攻撃的機体を横田基地に配備することは,同基地を日米共同の特殊作戦や海外侵略の最前線基地とすることにほかならない。日本国民の事前の了承のないままの今回の横田基地へのオスプレイ配備の前倒しも,このようなアメリカの軍事優先主義と軌を一にするものであり,厳しく批判されなければならない。

 また,在日米軍から日本政府に対し,オスプレイ配備の通報があったのは3月16日だったものの,公表が配備前々日となったのは米軍から公表を控えるよう要請をされたためとされている。しかし,在日米軍による情報統制に盲従して,配備に対する国民の不安や批判を全く意に介さない日本政府の対応は許されるものではない。
 これまでにもオスプレイは,世界各地でたびたび重大な事故を惹起しており,2016年12月には沖縄・普天間基地所属の機体が名護市安部の海岸,2017年8月には,やはり同基地所属の機体がオーストラリア東部クイーンズランド州沖合の海上に墜落している。その原因も解明されていないまま,今回,横田基地へのオスプレイが前倒しで配備されること自体,国民生活の安全よりも米軍支配を優先するものであり,このような日本政府の姿勢は米軍による支配に服従する姿勢であり断じて容認することはできない。

 東京地方裁判所立川支部は,昨年10月11日あらためて横田基地の周辺に居住する住民について,米軍機騒音による被害の発生を認定し,国に対して損害賠償の支払を命じている。にもかかわらず,死亡事故を繰り返し,安全性に疑問があるオスプレイの配備を強行する自体,基地騒音被害の根絶,国民の生命と安全,平穏な暮らしを求める国民の希望を踏みにじるものであって到底許されるものではない。
 私たちは,日本国憲法9条・前文が定める国際協調主義に基づく平和主義の原則を堅持する見地から,今回の在日米軍による横田基地へのオスプレイの配備の強行に抗議し,日米両政府に対し,横田基地へのオスプレイ配備の撤回を求める次第である。

2018年4月9日

自由法曹団東京支部
支部長 小部正治
 
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