オスプレイの飛行中止・米軍横田基地への配備中止と
すべての在日米軍基地の撤去を求める決議
米国政府は、2015年5月、日本政府に対し、CV−22オスプレイを東京の米軍横田基地に配備することを通告した。当初は、今年中に3機配備することが予定されていたが、その後この配備は延期された。しかしながら、2021年ころまでに10機が配備されるとの計画自体は変更されていない。
オスプレイは、敵地の強襲作戦や要人の暗殺、拉致、対テロ作戦などの特殊作戦を任務とする機体である。このような特殊攻撃的機体を横田基地に配備することは、同基地を日米共同の特殊作戦や海外侵略の最前線基地とすることにほかならない。折しも、北朝鮮のミサイル発射・核実験問題についての情勢に関連して、アメリカは北朝鮮への軍事侵攻も辞さないという姿勢を露わにしているが、在日米軍基地へのオスプレイ配備も、このようなアメリカの軍事優先主義と軌を一にするものであり、厳しく批判されなければならない。
オスプレイは、従前から世界各地でたびたび重大な事故を惹起しており、昨年12月には沖縄・普天間基地所属の機体が名護市安部の海岸に墜落した。また、今年8月には、やはり同基地所属の機体がオーストラリア東部クイーンズランド州沖合の海上に墜落している。
もとより、現在オスプレイは、すでに日本全国の上空を飛び回っているものにほかならない。とりわけ、横田基地は中継地点となっているために、オスプレイが日常的に飛来している。今年3月には新潟県と群馬県において日米共同訓練が実施されたため、横田基地には1ヶ月間で104回ものオスプレイの離発着があった。
死亡事故を繰り返し、安全性に問題のあるオスプレイが東京をはじめとして全国各地の上空を飛び回り、さらには低空飛行で甚大な騒音被害を撒き散らして、国民の生命と安全を脅かし、平穏な暮らしを踏みにじることは到底許されるものではない。
東京地方裁判所立川支部は、先月11日あらためて基地の周辺に居住する住民について、米軍機騒音による被害の発生を認定し、国に対して損害賠償の支払を命じた。
住民の騒音被害を根絶し、国民の生命と安全、平穏な暮らしを守るため、ただちにオスプレイの飛行は中止されるべきである。ましてや、オスプレイの横田基地への配備計画などはただちに撤回されなければならない。
私たちは、日本国憲法9条・前文が定める国際協調主義に基づく平和主義の原則を堅持するものであり、このような見地から、日米当局者に対し、オスプレイの飛行中止、横田基地へのオスプレイ配備中止及び米軍機による騒音被害の根絶を求めるとともに、日米の軍事一体化の元凶である在日米軍基地をすべて撤去するよう求めるものである。
2017年11月22日
自由法曹団東京支部幹事会