自由法曹団 東京支部
 
 
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支部の意見書・声明[2014年]

特定秘密保護法の廃止を求める決議


  1. 2013年12月6日、特定秘密保護法案が参議院本会議で採決され成立した。同法は、マスコミや法律家だけではなく、映画監督等の文化人や市民団体など、幅広い各界から反対の声があがっていた。にもかかわらず、安倍政権及び与党はこれらの声を無視し、衆議院においてわずか約46時間、参議院ではその半分にも満たないわずか約22時間の審議時間の下、多数の横暴によって同法案を成立させた。
  2. 同法は、行政機関の長が、防衛・外交・スパイ・テロに係る広範な情報を特定秘密に指定し、取り扱う公務員・労働者その家族を適性評価による監視・分断の下に置き、漏えいや「管理を害する方法での取得」、共謀・教唆・扇動を重罰に処し、報道の自由や知る権利、国会の審議権や裁判所の司法権を排除するものとなっている。この結果、官僚は、官僚による官僚のための情報独占を"合法的"に行えるようになった。しかしその本質は、憲法が保障するあらゆる個人の基本的人権をことごとく侵害する点にある。
  3. しかもそれだけではない。安倍政権は、今年4月には安保法制懇の報告書をもとに、通常国会会期末までに従前の「集団的自衛権は憲法9条のもとでは行使できない」という憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使容認へ舵を切ろうとしている。その上で国家安全保障基本法など関連法整備を臨時国会以降に着手するとされている。特定秘密保護法はこのような安倍政権が進める"戦争準備体制"を下支えするものであり、国民に情報を開示しないまま、日米軍事同盟による米国との戦争に秘密裏に加担できる体制の一翼を担っている。
  4. 憲法は、国民主権原理の下、非軍事による平和主義を定め、基本的人権が保障される社会を求めている。すなわち憲法は、官僚が情報を独占する社会を要請してもいなければ、米国等の外国と手を組み、軍事力を背景にした「平和」の実現を求めていない。この憲法の立場は、多くの国民の願いでもある。特定秘密保護法が成立した後、今通常国会開催に合わせ国会周辺を包囲する3000人による人間の鎖が行われた。特定秘密保護法の廃止を求め、戦争への道を食い止めようとする運動は大きく広がっている。
  5. 自由法曹団東京支部は、同法の危険性を周知し警鐘を鳴らし続け、広範な国民とともに同法を廃止に追い込むことに全力を挙げるものである。

2014年2月22日
自由法曹団東京支部 第42回支部総会

 
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