自由法曹団 東京支部
 
 
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支部の意見書・声明[2014年]

集団的自衛権行使容認を阻止し、「戦争ができる国」への道を許さない決議


  1. 第2次安倍政権の発足以来、安倍政権は改憲へ向けた動きを加速している。 当初目指した「96条先行改憲」は、自民党石破幹事長が「96条改正の先には9条改憲がある」と明言したように、9条を改正を目指すものであること明らかであった。この96条先行改憲論については、主権者である国民が国家権力を縛るという立憲主義の原則から許されないとする反論が、護憲派のみならず、改憲派の学者や自民党の重鎮も含めた多数の国民から寄せられ、撤回せざるをえなくなった。
  2. 明文改憲に代わり、安倍政権は憲法9条の解釈変更や、立法によって実質的な改憲を行う解釈・立法改憲の方針を強力に打ち出している。2013年8月に、憲法9条解釈変更を目指し、内閣法制局の長官を事実上更迭し、集団的自衛権行使容認派の小松一郎氏を任命した。さらに2013年臨時国会では、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法、特定秘密保護法を、それぞれ大多数の国民の反対を無視して成立させた。これらは、一部の官僚及び閣僚で情報を独占し、国民を外交や防衛といった重要な情報から遠ざけ、米国と共に戦争を遂行する国家体制を造るものである。さらに安倍政権は国家安全保障戦略(日本版NSS)を定め、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を閣議決定し、武器輸出三原則見直しにも着手した。安倍首相は今186回通常国会中に「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の報告書をうけ、集団的自衛権行使容認へ踏み出す強い意欲を示している。
  3. わずか1年足らずの間に起こった動きすべてが、日本を戦争のできる国にするためのものである。そして、明文改憲を経ずに解釈の変更や立法により改憲を行おうとすること自体、立憲主義に反する暴挙にほかならない。
     2013年12月おこなった靖国神社参拝が、中国、韓国等アジア諸国から強い反発を招いただけではなく、米国からも「失望した」と評価されるように、安倍政権の急速な右傾化路線が今やアジアの不安定要因となっていることは見過ごすことはできない。自由法曹団東京支部は、集団的自衛権の行使容認を許さず、戦争のできる国への道を阻止するため、全力を尽くすものである。

2014年2月22日
自由法曹団東京支部 第42回支部総会

 
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