自由法曹団 東京支部
 
 
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支部の意見書・声明[2014年]

原発再稼働を許さず、抜本的エネルギー政策の転換を求める決議


  1. 2013年12月資源エネルギー庁は「エネルギー基本計画原案」をまとめ公表した。原案では原発を「エネルギー需給構造の安定性を支える基盤となる重要なベース電源」と位置づけ、原発の再稼働を強く示唆している。安倍政権は、近く同計画を閣議決定する方針である。
     福島第1原発事故の甚大な被害を経験し、国民の多数は原発即時ゼロを求めた。野田政権時におこなわれた国民的議論でも7000件ものパブリックコメントの81%が「原発即時ゼロ」であった。「2030年代に原発稼働ゼロ」方針は、原発比率の急落に反発する産業界に配慮した妥協の産物にすぎない。安倍政権は、この「2030年代に原発稼働ゼロ」方針さえ放棄し、原発再稼働へと動いているのである。
  2. 政府の示した原案にたいし、行われたパブリックコメントでは、1万9000件もの意見が寄せられ、その圧倒的多数が反対意見と言われている。また政府内からも、内閣府原子力委員会が「原子力発電を重要なベース電源に位置づけるとしたことについて、この判断に至った熟慮の内容を国民に丁寧に説明するべきである」という異例の意見を提出し、原発再稼働への動きにたいし、各分野の人々が反対の声を上げている。
  3. その一方で、安倍政権は福島原発後の原発稼働停止によって化石燃料発電が増加していることなどを理由に、2009年民主党政権下で掲げた「2020年までに90年比25%削減」という温室効果ガスの排出削減目標を放棄し、「2020年までに02年度比3.8%削減」という大幅に切り下げた目標に変更した。温室効果ガス削減は、人類の生き残りをかけた地球規模での責務であるにも関わらず、国際公約を簡単に投げ捨てる安倍政権の態度は世界に恥ずべき行為である。
  4. 福島第1原子力発電所の事故を経験した国民世論の多数は、原発に頼らないクリーンエネルギー社会を求めているのである。原発ゼロを前提に、省エネと化石燃料の依存からも脱却した再生可能エネルギーを基幹エネルギーとし、新しいエネルギーシステムを今こそ構築すべきである。私たち自由法曹団はこの実現に向けて奮闘する決意である。

2014年2月22日
自由法曹団東京支部 第42回支部総会

 
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