自由法曹団 東京支部
 
 
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支部の意見書・声明[2011年]

日本航空の不当解雇に抗議し日本航空が公共交通機関として「安全と公共性」を基本とした利用者本位の再建を目指すよう求める決議

2011年2月26日

 日本航空は昨年1月に更生手続きを申立てた。その手続きの過程である昨年12月31日付で、運航乗務員81名、客室乗務員84名を解雇した。うち運航乗務員74名、客室乗務員72名、合計146名が、本年1月19日、解雇を撤回させるべく東京地裁に提訴した。
 日本航空の1,500名の削減目標に対して1,688名が希望退職に応じ、10月までの営業利益が累計で1,327億円にも達しているなど、解雇の必要性は全くない。被解雇者の人選が、病歴のある者や年齢の高い順の選別になっていることは、解雇のダメージが大きい者から選別するもので世界に例を見ない人権侵害である。本件解雇は「解雇権の濫用」そのものであり、多くの労働者のたたかいによって勝ち取ってきた「整理解雇の4要件」の蹂躙である。この「整理解雇の4要件」を日本航空に厳格に守らせることは、すべての労働者の雇用に関わる重大な課題となっている。
 自由法曹団東京支部は、日本航空のこの不当な整理解雇に強く抗議し、速やかに解雇を撤回するよう求めるものである。

 更生手続きにおける日本航空の再建の方向は、利益の追求を第一として、安全性及び公共性がおろそかにされていると見ざるを得ない。短期間に業績を伸ばし、2012年には株式の上場も目指すというが、それは不採算路線からの撤退、大規模な人員削減、運航乗務員や客室乗務員の中で多くの乗務で経験や技量を蓄えた者から解雇する整理解雇の方針に現れている。運航の安全を確保し公共交通機関としての役割を達成することこそが、日本航空の再建の方向でなければならない。そのためにも大量の整理解雇を撤回し、これらの乗務員を職場に復帰させ、航空会社として必要な顧客サービスと保安業務に不可欠な経験と熟練、能力を活用させることが不可欠である。
 自由法曹団東京支部は、日本航空に対し、「安全と公共性」を基本とした利用者本位の再建を目指すよう求めるものである。

 以上決議する。

第39回自由法曹団東京支部総会

 
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