自由法曹団 東京支部
 
 
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団支部の活動紹介

五輪招致問題

429号より 
異議あり!2016石原オリンピック連絡会 コペンハーゲンへの道のり

高石 育子 事務局次長

1 はじめに(オリンピック運動の真の発展を願って)

 前回までの支部ニュースでお伝えしているとおり、異議あり!2016石原オリンピック連絡会(東京支部、新日本スポーツ連盟を事務局団体とし、自治労連、東京地評などからなる団体。以下「連絡会」という。)は、よりよいオリンピックのために活動を続けている。
開催都市の決定は、コペンハーゲンで行われるIOC総会の中で10月2日に行われる投票で決定する。そのため、現在の連絡会の運動は、10月2日に向けて進められている。

2 オリンピック招致委員会を訪問する!

 7月30日、連絡会の代表5名が、東京都庁内にあるオリンピック招致委員会を訪問した。
連絡会は、事前に、今回の開催計画についての質問事項を送付した。当日は、私たちの質問に対するオリンピック招致委員会の回答を受けるという形で行われた。
 我々の質問は、競技施設に関する件から、予算、財政の面(民間資金の納入状況)、東京都のスポーツ振興政策、インフラ整備を主眼とする「10年後の東京」計画と招致計画の関係など、多岐に渡った。
 東京都の開催計画では、中央区の晴海埠頭がメインスタジアムに予定されている。晴海埠頭は、埋め立て地であり三方が海に囲まれ、最寄り駅からも遠く、アクセスの非常に悪い場所であることから、10万人の観客等の輸送手段の計画の具体的内容を質問した。その回答は「開催計画が決まってから検討する。」というものであった。10万人の観客の輸送は最重要事項の一つであると思うが、未検討という回答に驚いてしまった。担当者は、「北京ができたのだから、東京が出来ないわけがない。」と続けた。
 遊泳禁止である水域が、屋外水泳会場に指定されていることについて、水質浄化の具体的計画についても質問をした。それにたいして、「お台場の海が遊泳禁止なのは、水深が深いことと、水上バスのルートとなっているからであり水質汚染が原因ではない、と東京都から聞いている。」との回答。「水質調査結果は把握しているのか。」と聞くと、「知らない。遊泳禁止は水質汚染が原因ではないと聞いているのだから、それ以上、水質調査の内容など知る必要はない。」との回答。あきれてしまった。夏には赤潮・青潮が発生し、海底にはヘドロによって硫化水素臭のするあの東京湾で、トップアスリート達を泳がせて良いと考えているのであろうか。
 また、34ある施設のうち7割は既存施設、という東京都の立候補ファイルでのアピールに対して、既存といっている23施設のうち、8施設は実質的に新設ではないか(既存施設を取り壊して、あるいは既存施設の横に、新規施設を建設する内容のため)という指摘に対する回答は、「IOCにも、『壊して新しいものを建てるなら新設じゃないか』と言われました。だから、今は、既存施設を7割使う、という言い方はしていません。34のうち、半分の17が既存施設です、という言い方をしています。」とのことであった。立候補ファイルのごまかしは、以前から私たち連絡会が指摘し、IOCにも意見を伝えていたものである。IOC評価委員の目もふしあなではなかった。私たちの運動が一定の効果があったということであろう。
 その他様々な質問をし、回答を受けた。実際に招致委員会の方達に会い、直接話を聞けたことはとても意義のあるものであった。
 今回の回答も盛り込んで、私たちの意見をIOCに伝えていく予定である。

3 IOCに私たちの連絡会の意見を伝える!

 IOCでは、9月2日を目処に、各立候補都市(東京、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリード)の各評価報告書が出される。
 評価報告書が出されるタイミングに合わせて、連絡会の意見をIOCに伝える予定である。
この意見書の作成を現在進めている。
意見書の送付と同時に、IOC委員に直接我々の意見を伝えたいのでコペンハーゲンでお会いしたいと申し入れる予定である。
 6月にはシカゴでの反対運動の代表者が、事前のアポなしにIOCを訪問したが、IOC側は広報部長といった一定の権限を持った人物が対応し、面会している。
 そのため、私たちの面会の申し入れに対しても、IOCは誠意ある対応をしてくれるものと期待している。
 コペンハーゲン行きは、コペンハーゲンでIOC総会が行われる9月29日〜10月2日に合わせて、日本を9月28日に出発し、現地には10月3日まで滞在する予定である。
 現地では、ロビー活動も行う予定である。

4 コペンハーゲン行きのお誘い

 東京支部のメーリングリストでは、すでに、横山事務局長が、コペンハーゲン行きのお誘いをしているところです。興味のある方は、ぜひ一緒に行きませんか。旅費や現地での費用はもちろん自費です! 同時に、コペンハーゲンでの通訳費用などの経費を賄うためのスポンサー(カンパ)も大募集中です!!(*^-^*)

 
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