自由法曹団 東京支部
 
 
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五輪招致問題

2016年オリンピック競技大会開催都市に関するIOC総会の結果について
2009年10月3日
異議あり!2016石原オリンピック連絡会コペンハーゲン訪問団


 2009年10月2日、コペンハーゲンで開催されたIOC(国際オリンピック委員会)総会において、2016年に行われるオリンピック競技大会の開催地として、東京都は選出されませんでした。私たちは、このことはIOCの評価報告書が示した内容が適正に判断された結果であると考えます。

 東京都は、2005年の招致立候補表明以降、オリンピック運動の普及やスポーツ振興について、非常に一方的に、そしてその対象は限定的に行ってきました。具体的には、都民に賛成を押しつける招致活動や、メダル獲得に偏重したスポーツ振興策の展開などを行ってきたのです。
 本来、東京都がオリンピック運動の発展をめざすのであれば、オリンピック運動への参加のあり方や具体的なスポーツ振興施策の展開、都民生活の向上とあわせて進められる競技大会の開催方法などについて、都民に対して具体的に方針や計画を示し、予算についても明らかにしながら都民・国民の議論と共にこれを進めるべきであると、私たちは指摘してきました。
 しかし、東京都の姿勢は、検討されている計画の内容については「ライバル都市にまねをされる」などの理由でこれを明かさず、決定された計画を発表した上で賛成を押しつけようとしたのです。これは、住民と共に歩むオリンピック運動のあるべき姿とはかけ離れたものであったことを指摘せざるを得ません。そして、このことが都民・国民の低い支持率となって現れたと私たちは考えます。このように、住民合意がないことだけでも、オリンピック招致の条件はなかったのではないでしょうか。
 また、東京都が都民に対して行ってきた説明は、実情とあまりにもかけ離れていました。都は当初、「70%の施設は既存施設である」と説明していましたが、実際には現在利用されている公園や野球場を他の競技施設に変更することをもって既存施設とするなどのごまかしを行ってきました。IOCが発表した評価報告書においても、この点が指摘されています。
 外にもメインスタジアムや選手村など、主要施設までもが立地的に無理な計画であり、このような開催計画である東京都が招致都市として選出されていれば、住民にとっても、選手・スポーツ界にとっても不幸な結果を招いたであろうことは想像に難くありません。そして、住民にとっても、選手・スポーツ界にとっても不幸となるオリンピック競技大会を開催することは、オリンピック運動にとっても不幸な結果となるのは当然です。

 今後、東京都は、今回の結果を真摯に受けとめ、オリンピック運動への参加のあり方、スポーツ振興のあり方を抜本的に見直すとともに、住民の要求に応える都政を展開し、真に都民に歓迎されるオリンピック運動への参加に取り組むべきであること主張し、私たちの意見とします。

 
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