自由法曹団 東京支部
 
 
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団支部の活動紹介

月並みに言います。初心を忘れないで下さい。

東京南部法律事務所 坂井 興一


 自分語りは内心忸怩たるものですが、まずは(団員になったこと)で、私の行路は時代の多数派感覚によるので、少数・3K扱いでシンドそうなみなさんとは自覚のレベルが違い、今にタイムスリップしても果たして同行出来たかは怪しいものですね。ご多分に漏れず当時の私も(如何に生きるか)に傾斜していたから、裁・団・検と三分された若手獲得競争で検察は悲鳴を上げ、在野でも窓口派では物足りないと新左翼諸君が旗揚げした中で幾分の迷いはあったでしょう。競り合いはその後、丙案導入や弁だけ大増員に繋がる人口問題となって行ったのですが、主体にとって肝心なのは然し、初心が続くかどうかで、自分の力になる仕事に事欠かず、安定した位置のある女性団員、先輩の稼ぎでビビっと来る活動に突っ込める男性団員ともホントに偉いかどうか暫くは白紙で、その意味で47年の酷使に耐えた私はエライのです。尤もそれぞれの政治的立場感覚のことは微妙且つ重要で、私的見聞事とともに去年の「古稀雑感」で触れましたが、要はお互い屈託・腹蔵なく対応出来れば、我々も、もっと大きな力を発揮出来そうに思えますが如何でしょう。半世紀近くを経て、政権的対抗軸形成をも課題とする憲法決戦を迎え、そのことを強く感じます。ともあれ、凡人を自覚する方は、勝手気ままに流れない環境を選ぶ方が正解でしょう。様々な曲折を経て熟年の正念場に至ると、己の無事であることが幸運にも思えます。諸先達はそうした難路にもめげず、語れる業績を残しておられるが、気が散り易く小器の私は、他人のことにまで口出ししては煙たがられてしまいます。それ故、一筋の道を高みに達するまで続けられた方々をエライと思うのです。 ともあれ、私らが民芸的手職人なら、今の若手の強みは集団取り組みの電撃的電脳作業の卓抜さで、グローバル世界でもやって行けそう。それも画一化してひとの息遣いさえ感じられない企業・渉外とは違って、私の好きなノンチェーンの居酒屋文化世界の佇まい。潰しの利かない単能工扱いの前者より、この方が人が寄って来ますって。チョッとした人肌工夫、これが似合わない大手チェーンと違い、団は全国展開の強みを生業事業の分野まで拡げられる筈です。みなさんはその意気込みで過当競争時代にしぶとく伍して行って下さい。
 めげずやってきた(私なりの歩み)は、東弁では民刑・人権・消費者など大抵の活動系委員会は勿論、会館建設・特定寄付・人事、また日弁連では民刑司法の同様のアレコレに養成・扶助・民訴や各種センターや編集主査、東弁期成会で当番幹事・人事・常任幹事。団では支部事務局長、支部・本部幹事、あと、労弁・青法協・日民協・司独で幹事など。概ね地域事務所では似てたと思いますが、地元発祥の太陽の会がらみのたーくさんのヤミ金事件、中小企業家同友関係・革新懇・9条、原発の会・大田品川文化の会、そして事務所統括主宰者等があるが、事務所も私も若かったのでお勤めしたもの。担当事件では、新日軽金品川君・グリコと湘南送電の本多君親子、自交・映演総連大映・早川鉄工・渡辺製鋼所・須網早大教授駆け出しの頃の桜工機倒産事件・日本特殊鋼・石井鉄工・荏原交通・高砂自動車・日本自動車・中華航空・日航地上・大雪山旭岳労災・東京新聞・東京個人タクシー組合、全商業等解雇・閉鎖のアレコレ。刑事では都職大田・立正大自治会。当番弁発足に係わっての委員会派遣事件や役員の義務としてのオームの他、強盗致傷での減軽猶予に道を開く法定刑減縮や何件もの殺人事件を担当している。その他では木村晋介さんと一緒のクリーニング業界全都集団詐欺被害事件、クレサラ諸事件、高山俊吉リーダーの川村事件関連の出稼ぎ問題や、お手伝いの東京大空襲事件、陸前高田ふるさと大使。蒲田・羽田・鵜の木・山王・大森のマンション紛争等はハシリの頃から地元やマスコミも加わってどれも大変で、他、倒産・閉鎖・借地借家の集団事件・事件屋がらみのものは幾らでもあり、スタッフ的資質が乏しいと何でも屋になってしまうのが地域街弁の悩み。そして事務所経営責任では些か長過ぎたためか、オチョクられはしても、実はこれが私の一番の功績でしょうが、ノーテンキの所員諸君が認めて呉れないので自分で書きます。

 (追記)時あたかも政府の言う「平和と安全法制」決戦論議の折、与太話しだけでは気が引けるので付加します。語る話しが憲法に始まって憲法に収斂するものではあっても、私のはホントに怒ってるんですねと冷やかされる類のものですが、教壇やノート・レジメだけの憲法講義では、今時説得力がありません。自身のカルチャ体験に触れての、歴史・社会・地政・人間のにおいや味のする話しであって欲しいのです。与那国の大人達には無理でしょうが、率直なら人生経験不足でも小学生安里君のように出来ること。まして駆け出しなりとも、紛争社会行動学実践中で「スレてないみなさん」ならきっと出来る筈です。

 
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