自由法曹団 東京支部
 
 
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団支部の活動紹介

サマーセミナーに参加して

三多摩法律事務所  佐藤 宙

 夏真っ盛り。8月22日、23日の2日間にわたり箱根にて行われたサマーセミナーに参加してきました。
 1日目は、宮川支部長の挨拶に始まり、伊勢崎賢治氏による「9条のリアル」題して講演が行われました。私は、伊勢崎氏の名前こそ聞いたことがあったものの、同氏どのような考えを持ち、どのようなことをしてきた方なのかをあまりよく知りませんでしたので、どんな話が飛び出してくるのか、胸を躍らせていました。伊勢崎氏の講演は、アフガニスタンの武装解除を実現したご自身の貴重なご経験談を主軸にしつつ、現実問題として、憲法9条や集団的自衛権がこれまでの歴史の中でどのように機能してきたか、そして、それらをそこにあるものとしてどのように活用していくことができるのか、という内容のものでした。このような、第一線の現場に関わってきた者として、常に現実から出発する同氏の考え方やものの見方は、理念や理屈から思考を始める法律家のそれとは大きく異なるものでしたので、私にはとても刺激的で新鮮なものでした。「9条のリアル」という題は、まさに講演内容を良くあらわしたものであったと思います。
 しかし、伊勢崎氏が見事に武装解除をしてのけたにもかかわらず、現在のアフガニスタンは悲惨な状態です。戦争は、どのような大義名分を掲げても、悲劇を生むだけであるということを忘れてはなりません。
 伊勢崎氏の講演に続き、今後我々がいかなる闘いを展開していくべきであるかについての報告や討議が行われました。今後、秘密保護法や集団的自衛権の問題点について正しい知識を市民と共有することがいっそう重要になってきます。そのような観点から、各地域において、学習会を始めとしてどのような取り組みがされているのかという点が報告・討議の中心となりました。その中で、「今は、学習会をするだけではなく、行動を起こす段階なのではないか」との問題提起がありました。学習は、それ自体が一つの目的ではあることは確かですが、最終目的は、市民が正しい知識を身につけ、それを基に運動を発展させることに他なりません。知識や問題点を市民と共有するだけでなく、市民運動の活力になるような学習会をすることがいかに大切であるかを再認識する(反省する)貴重な機会となりました。
 2日目も、1日目に引き続き、学習会について各地域や各団体においてどのような工夫がなされているかについての報告や討議がおこなわれました。日本全国に引っ張りだこの飯田団員のご報告をはじめ、各地域のすばらしい取り組みが報告されました。その中でも、私には、早田団員による「あすわか」の取り組みのご報告はとりわけ魅力的なものに感じられました。護憲・改憲いずれかにスタンスを決めていない人々を対象に、ソフトにわかりやすく憲法問題を伝える取り組みや、カフェで憲法学習会を開くなどといった、「あすわか」の取り組みは、運動の輪をさらに広げるためにとても有効なものであり、私も是非参考にしたいと思います。
 最後に、金井幹事長より、安倍首相の憲法破壊と闘うための行動提起がなされ、2日間のサマーセミナーは幕を閉じました。
 サマーセミナーでは、5月集会や支部総会など比較的大規模な集会とはまた違って、参加した諸先輩方ととても近い距離で討議や意見交換をすることができました。来年は、みなさまも是非参加してみてはいかがでしょうか?

 
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