自由法曹団 東京支部
 
 
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自由法曹団員2世として −支部総会の感想とともに−

東京合同法律事務所 福井 俊之

自由法曹団員との出会い
 私の父は、数年前に廃業しましたが、兵庫県北部にある豊岡合同法律事務所で自由法曹団員弁護士(28期)として活動していました。
 そんな父から、自由法曹団がどんな弁護士なのか、何を目的に活動している弁護士なのかということを聞かされて育ちました。

スポーツの世界へ
 その後、幼いころからサッカーを続けていた私は、親元を離れ、地元の高校よりもサッカーの強い高校に進学し、そして、体育大学である順天堂大学スポーツ健康科学部に進学するなど、弁護士の世界からどんどん離れ、スポーツの世界にどっぷりとつかることになりました。

弁護士になることを決意
 そんな私が、弁護士を目指すことになったのは、大学4年のころでした。ブラック企業の内定先で研修中(当時、ブラック企業という認識はありませんでしたが)、働き方等々に疑問を感じていた私は、父から「弁護士にならないか」と誘われたことをきっかけに、弁護士を目指すことを決意しました。
 いろんな弁護士像があることはもちろん知っていましたが、幼いころからの父の「英才教育」が功を奏したのか(笑)、自由法曹団員になる以外、選択肢はありませんでした。

自由法曹団
 司法試験に合格し、弁護士となり、ついに自由法曹団員となることができましたが、自由法曹団入団が弁護士となった私の目標ではなりません。父から聞いていた自由法曹団員のように、目の前に困っている人がいれば、いわば本能的に行動せずにはいられない弁護士として、強者優先の政治のしわ寄せをくらう労働者などのような相対的に社会的・経済的に弱い立場に立たざるを得ない人々の人権擁護のために尽力し、社会の不条理改善の力になれればと思っています。
 弁護士1年目ではありますが、自由法曹団の一員という自覚を持ち、今後、弁護士業及びその他活動に邁進してまいります。今後とも、よろしくお願いいたします。

支部総会の感想
 支部総会では、改憲問題や労働問題など、幅広い分野について討論が展開されていましたが、その中で、印象的だったのが、林治先生(代々木総合法律事務所)の貧困問題の報告でした。字数等の関係から具体的な事実を挙げることはできませんが、衝撃的な事実ばかりでした。
 貧困問題は、あらゆる問題の根底に位置するものであることから、貧困問題を改善しないことには、ブラック企業や年金削減などの問題がなくなることはなく、だからこそ、もっと多くの自由法曹団員が目を向けるべき課題であると同時に、貧困問題にかかわるには、覚悟がいると熱を込めて報告されていました。
 このような報告に、私は感銘を受け、心を動かされましたが、林先生の報告後、この報告内容について討論されることはありませんでした。無意識的または意識的に触れなかったのか、もしくは進行上やむを得ないことだったのか私にはわかりません。
 しかし、私は、この対応に疑問を持ちました。私が憧れていた自由法曹団は、目の前に困っている人がいれば、いわば本能的に行動せずにはいられない弁護士集団でした。林先生が提起された問題について、誰一人として行動提起しないのは、自由法曹団の本質にかかわることなのではないでしょうか。
 総会当日、私は、壇上で発言していないだけでなく、弁護士人生をかけ、林先生のように貧困問題に関わっていく覚悟も、いまはありません。それにもかかわらず、このように意見するのは卑怯なのかもしれませんが、いまの私の思いをお伝えせずにはいられなかったので、述べさせていただきました。
 いま、自由法曹団をあげて貧困(生活保護)問題に取り組むように体制を整えることが必要ではないでしょうか。何も知らないあおい新人の意見ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

 
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