自由法曹団 東京支部
 
 
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団員の活動紹介

「自由法曹団員になるとは思ってなかった」

東京法律事務所 平井 康太

1 お巡りさん・警察官になりたい
 「正しいことをしたい」……小さい頃(幼稚園児くらい)に漠然と思っていました。当時,「正しいこと」をしていると感じた職業はウルトラマンかお巡りさんくらいでした。ウルトラマンにはなれないことは分かっていたので,お巡りさんになりたいと思いました。小学生になって,お巡りさんではなく,警察官になりたいと思いました。

2 検察官になりたい
 あるとき,我が家にもインターネットを利用できる環境ができました。そこで,どうやったら警察官になれるのかを調べました。すると,視力の基準があることが分かりました。私はそれを満たしていませんでした。私の場合,矯正しても基準を満たすことができない状況でした。夢破れました。警察官になれないことを知った私は,将来何になろうか迷いました。そこで,インターネットで子供向けの職業内容を紹介しているサイトを見ました。その一覧の中に検察官という職業がありました。私は,警察官と検察官の名前が似ていると思い,検察官に興味を持ち,職務内容などを調べ始めました。検察官が取り調べなどの捜査をすることを知って,体の大きくない私は検察官の方が向いていると思いました(思うようにしたのかもしれません)。しかし,検察官には司法試験に合格しなければならないことを知り,検察官を目指すか迷いました。
 中学3年生のころ,新聞広告にあった『夢をかなえる勉強法』という本が目に留まりました。その本は,司法試験予備校の伊藤真先生が書いたものでした。私はその本を買ってすぐに読み,勉強方法自体の勉強があることを知るとともに,自分も司法試験に合格できるのではないかと思いました(思いたかった)。そこで,司法試験を目指して検察官になろうと思いました。それからは,勉強方法の勉強を始めて,経済的な事情もあったので,予備校には行かずに大学受験をしました。何とか合格した後,両親から援助をいただいて,縁のあった司法試験予備校に行くことができました。膨大なテキストの量を見て,やり通すことができるのか不安に感じてはいましたが,やっと司法試験に向けた勉強ができるのが本当に嬉しかったのを覚えています。

3 弁護士になりたい
 大学で法律を勉強し,サークル活動で法律相談を実施し,周りでの出来事を見てみると,自分が思っていた仕事は,検察官より弁護士の方だと感じました。そこで,弁護士になろうと思いました。
 ロースクールに行って,裁判官の仕事や企業法務やなど色々なものを見せていただく機会がありました。裁判官は仕事内容が魅力的ですが転勤が理不尽なのでならないと思っていました。企業法務の空気には感覚や相性が合いませんでした。他方で,自由法曹団の方で活躍する先生方(当時は自由法曹団員であるとは知りませんでした)の多くは,熱く誠実な方で,何より,良い意味で諦めが悪いと感じました。理想を持ち続けると言った方が適切かもしれません。いろいろ見てきた結果,私は自由法曹団で活躍する先生方と一緒に活動していきたいと思うようになりました。

4 自由法曹団員になった
 このように,お巡りさん,警察官,検察官,弁護士,自由法曹団員という流れで,権力という観点では,真逆の選択を私はすることになりました。ただ,根本にあるのは「正しいことをしたい」という気持ちを持ち続けたいということだったと感じています。幼稚園の頃から年を重ねるにつれて,何が「正しい」のかは人それぞれであることを知り,今では自分自身,何が「正しいこと」なのか分からなくなることがほとんどです。ただ,自由法曹団で活躍する方々と同じように,良い意味での諦めの悪さをもって「正しいこと」を考え続けて,実践していきたいです。
 弁護士になって間もないですが,弁護士として仕事をする今は,幼稚園児の頃の自分がしたいと思っていた通りの仕事と感じることが多く,当時の自分へ自信を持って,「こっちへおいで」と言えると思います。
 自由法曹団の先生・事務局の皆様,これからどうぞ宜しくお願いします。

 
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