自由法曹団 東京支部
 
 
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入団のあいさつ

八王子合同法律事務所 白根 心平

 八王子合同法律事務所の白根心平です。大学生のころは東洋史学科というところで中国史の勉強をしていました。ちいさいころから歴史が大好きで、大きな時代の流れに翻弄されながらも力強く生き抜き、今日にも大きな影響を与えるような思想家を育んだ春秋・春秋戦国時代が特に好きでした。中学生の頃から、将来は歴史学の研究者になることを夢みていました。
 研究者になりたいという情熱は、研究者が置かれた環境や自分自身の能力の問題、また、大学生活を通じて興味関心の変遷があったため、徐々に失われてゆきました。
 就職活動が目前に迫った大学4年次に、昔から「何か社会に役に立つような仕事がしたい」と思っていたこともあり、正しいことを正しいと言い続け、不条理に毅然と立ち向かい、社会を良くしていく仕事がしたいと思って、一念発起して司法試験の受験を決意しました。
 昔から、なんで社会は変わらないんだろう、なんで差別や偏見、貧富の格差や戦争はなくならないんだろうと思っていました。
 いろんなことを勉強していくうちに、多くの人から世の中が変わっていくということはどういうことなのかということを聞いていくうちに、「なんで社会は変わっていかないんだろう。」という問いかけは、他でもない自分自身に投げかけられた問いなのだということに気が付き始めました。
 修習時代に出会った弁護士が「歴史が前に進んでいく。」という話をよくしていました。私自身は、昔から歴史は大衆を率いる英雄や偉人のような特別な才能や能力を持った人間が築いていくものであると、どこかそのように思っていました。でも、その弁護士が「歴史が前に進んでいく。」という話をしている時に念頭に置いていた歴史の前進というものは、英雄や偉人が築いていくものではなくて、この社会を構成する市民一人一人の意識が変革していくことだったということをある時気付いて、とても衝撃を受けました。
 それから、法律の専門家として、そして歴史を勉強してきた人間として、自分自身も「歴史が前進していく」ことへ何かしら寄与したい、弁護士として裁判闘争だけではなく、社会を変革していく力をもった市民の人と団結して闘い、世の中を良くしていきたいと思うようになりました。
 どんなに意志の強い人であっても、一人で不条理や差別と闘うことはなかなかできません。社会に散在する細大問わない不条理に立ち向かい続け、世の中を良くしていくためには、多くの人が力を合わせて、手を携えて闘っていくことが大切だと思い始めたのも一人一人の意識の変革が歴史を前進させていく大きな原動力であると気づいてからです。
 自由法曹団では、歴史を前進させていく力をもった市民の人たち一人一人の意識を変革していけるような活動に取り組みたいと思っています。

 
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