自由法曹団 東京支部
 
 
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労働事件を労働者側に立って闘う弁護士、さらには、社会権力に立ち向かう弁護士に

東京合同法律事務所 市橋 耕太

 皆様、はじめまして。東京合同法律事務所の市橋耕太と申します。
 私が弁護士を目指したのは、法学部だったし、普通の会社は性に合わないし…といったこともございますが、本当の意味で弁護士を志すようになったのは、労働法を勉強するようになった時からです。対等とはいえない労働者と使用者の力関係を法規制と判例によって修正してきた歴史。その背景には度重なる裁判があり、大衆運動があったこと。そこでは弁護士と労働者が力を合わせて闘ってきたこと。これらを学び、弁護士には裁判と運動を通して人々の権利を勝ち取る力があり、同時にその使命が課せられていると感じました。この時から、労働事件を労働者側に立って闘う弁護士、さらには、社会権力に立ち向かう弁護士になろうと考えるようになりました。
 その思いをより強固なものにしていったのは、先輩弁護士との出会いでした。ロースクール時代には、過労死事件を数多く手掛ける先生のお話を聞き、「生活していくための労働で人が死ぬ」という事態に大きな矛盾を感じました。労働事件以外でも、決してお金にはならない弾圧事件に数十人の弁護士が弁護団を組んで取り組む姿、福島原発事故の被害救済のために省庁や東電に対し要求を突きつける姿は、まさに私が目指すところの、権力に立ち向かう弁護士そのものでした。しかも、皆さんがそういう活動を苦とせず(実際には苦はあると実感しているこの頃ですが…)、誇りを持って取り組んでいるように見えました。
 そんな折、今の事務所の先輩に言われたのが、「自分が心からやりたいと思えることができて、しかもそれでご飯が食べられる。こんな楽しい仕事はないぞ」「市民の弁護士は必ず市民が食べさせてくれる。安心してこちらに来なさい」という言葉でした。こうして、「自分もこういう弁護士になろう」と決心しました。
 後に、それまで自分が出会ってきた尊敬すべき先輩方がほとんど団員であることを知り、また、団の理念・目的も何ら違和感がなく、弁護士になったら当然入団するものだと思っていました(そもそも当事務所は入団が必須なので、特に意思決定する必要もなかったのですが)。こうして、昨年12月に弁護士になるとほぼ同時に、入団させていただきました。
 今後の抱負を少しだけ述べさせていただきます。私は弁護士人生を通じて、3つの問題に力を入れて取り組もうと考えています。一つは、先述した、私を弁護士の道に導いてくれた労働問題です。二つ目は、沖縄基地問題の解決です。恥ずかしながら、数年前までは基地問題について深く考えたことはなく、他人事として捉えていました。しかし、この間の基地移設反対運動の大きな盛り上がりに加え、自分自身も沖縄を2度訪れ、知人もできたことで、ようやく基地負担を沖縄に押し付けることの不正義・不条理を実感することができました。自分自身への戒めを込め、最終的に沖縄から基地を無くすことを目標に取り組むことを宣言いたします。三つ目は、原発の完全廃止に向けた取り組みです。原発は、それが環境に与えるリスクはもちろんのこと、これを運転していく社会構造そのものが、アメリカと財界によって支配されている日本の縮図であると理解しています。これを完全に廃止するまで、尽力したいと思います。
 荒井団長はじめ当事務所の先輩方が団で精力的に活動している姿を日頃見ており、また当事務所と団との歴史的な関係はある程度理解しているところです。私もまだまだ未熟ながら、団の中で一生懸命活動させていただく所存です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 
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