自由法曹団 東京支部
 
 
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東京合同法律事務所 水口 瑛葉


 昨年12月に東京合同法律事務所に入所するとともに自由法曹団に入団いたしました、67期の水口瑛葉と申します。
 弁護士登録をしたとはいえ、急に実の伴った弁護士になれるはずもなく、裁判所に行くにも、接見のために警察署行くにも、ソワソワドキドキし、自分が何が解らないかも解らないため途方に暮れる、というなんとも恐ろしい状態になりながら、悪戦苦闘しながら毎日を過ごしています。
 私が弁護士になろうかしら、と思い始めたのは中学生の頃でした。
 中学3年生のときのカリキュラムに、いわゆるゆとり教育の代名詞ともいわれそうな『総合的な学習』の時間という授業がありました。その内容は、なんでも自分の興味のあることをテーマに設定し、そのテーマについて調査・分析してプレゼンテーションをするというものでした。
 どのようなテーマにしようか悩んだ私は、1年程前に、母が弁護団に入っていたハンセン病国賠訴訟で原告全面勝訴の判決が出され、メディアで大きく報道されていたことを思い出し、ハンセン病について調べてみることにしました。
 資料もたくさん手に入りそうだし(母経由で)、わからないことがあったら聞きやすいし(母に)、労力が少なくて済むだろう、という邪な動機があったかと問われれば、もちろんありました、と答えるしかありません。
 中学3年生の私は、その調査の過程で、ハンセン病患者の方々がどのように差別され、虐げられてきたかを知り、彼らに対する仕打ちの理不尽さに本当に衝撃を受けました。
 その後、ハンセン病訴訟の原告の方と直接お会いすることができた際、その方は、ハンセン病訴訟の熊本地裁判決が出たとき、これからやっと人間として生きていくことができると感じた、あの裁判により私たちは人間の尊厳を取り戻した、と仰っていました。
 そのときに、私は、一つの裁判が、その人にとって「人間の尊厳」を回復するような役割を果たすこともあること、そして、弁護士とは、そのような裁判を被害者の人たちと一緒に闘っていける仕事なのだ、ということを理解しました。
 世の中に、このような意義のある仕事ができる職業がどれほどあるでしょうか。
 私は、大学受験のときには、特に迷いもせず法学部のみを受験し、ロースクールに通い、司法試験を受け、いまに至ります。私にとっては、とても自然な流れでした。(こうして振り返ってみると、我ながら素直すぎるような気がしないこともないですが。)
 私は、仕事をしていくうえでは、お金を稼ぐことだけを目的とするのではなく、社会の一員として働く以上、その仕事で社会に貢献するという側面がとても重要だと思っています。その意味で、弁護士という職業はとても魅力的です。
 これから、弁護士という仕事を続けていく中で、一度は、ハンセン病訴訟のような、社会的に意義のある大きな訴訟に係わりたいと思っています。その事件の種類・中身は自分が情熱を傾けられるのであれば、どのようなものでも構いません。そのときそのとき、要求されている活動は異なり、どのような事件に関われるかは出会いもあると思うからです。
 そして、自由法曹団は、社会的意義のある活動、人々の基本的人権を守るための活動を行ってきた長い歴史のある弁護士の団体であり、団員の先生方は皆さんがそれぞれに、幅広い分野で活動を行っていらっしゃいます。
 私も、自由法曹団の培ってきた歴史や、それを受け継ぐ団員の先輩方から多くを学び、上記のような弁護士になろうと思ったきっかけを忘れずに活動していきたいと思っています。
 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

 
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