自由法曹団 東京支部
 
 
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新人紹介

東京法律事務所 長谷川 悠美

 2013年12月に東京法律事務所に入所いたしました、長谷川悠美と申します。
 東京法律事務所は、約60年の歴史があり、一貫して、平和、民主主義、労働者の権利の保護を目的としてきました。所員の私から申し上げるのもおかしなことですが、名だたる先輩方が在籍していらっしゃる事務所なので、入所して以来、憧れの先輩方と仕事ができる喜びを感じながら、身の引き締まる思いで執務しています。
 入所して何よりも感動したことは、事務員の皆さんも含めて所員全員が、平和、民主主義、労働者の権利を守る運動に積極的だということです。毎月2回、秘密保護法や集団的自衛権に反対する街宣活動を行っていますし、自由法曹団の運動にも積極的に参加しています。事務員の方から、企画の紹介や、活動の報告を受けることも多いです。
 所員の皆さんがいるから、私も頑張らなくてはいけないと思えるし、自由法曹団のみなさまがいるから、当事務所も継続して活動ができているのだと思います。
 秘密保護法の制定、集団的自衛権容認の解釈改憲、労働法制改悪など、弁護士になったとたんに課題が盛りだくさんで、戸惑う気持ちもあります。しかし、前号の支部ニュースの新人紹介で、東京東部法律事務所の鹿島裕輔くんが書いていたように、この時代に弁護士になった者の責務として、これらの問題に正面から取り組んでいく必要があると思っています。
 私が参加している弁護団活動は、首都圏建設アスベスト訴訟、福島原発被害弁償弁護団、メトロコマース弁護団などがあります。
 首都圏建設アスベスト訴訟では、現在東京高等裁判所に係属している1陣訴訟の当事者の方の大半はお亡くなりになっていて、遺族の方が原告となっています。そのような被害を目の当たりにするたび、アスベストが危険だという知見が確立した後に、警告表示すらせずアスベスト含有建材を作り売り続けたメーカー企業や、十分な規制を行わなかった国に対して、憤りを感じます。
 東京地裁では、国に対する請求は一部認容されましたし、メーカーに対する請求は棄却されたものの、メーカーの過失は認める趣旨の判示がされました。あと一歩というところまできているはずです。
 各原告に実際に被害を生じさせた共同不法行為の特定など、立証・法理論的に難しい問題に直面している訴訟ですが、絶対に負けるわけにはいかないと思っています。
 まだまだ慣れない日常業務に追われ、思うように弁護団活動に参加できないのがもどかしいのですが、解決するまで参加して、アスベスト被害の完全救済を目指します。
 また、メトロコマース事件では、労働契約法20条に基づいて、非正規社員と正社員の賃金差別についての責任追及をしています。
 原告は、同じ仕事をしても、正社員とは格段の差がある低額な賃金しか受け取れず、いくら働いても生活が苦しい方々です。
 同じ仕事をしても、もらえる給料が違うというのは、人間の尊厳を傷つける差別なのだと実感しています。正社員と非正規社員は、同じ人間ではないと言われ続けているようなものです。
 労働契約法20条が制定されたばかりで法解釈が確立していないので、難しい取り組みであることは確かですが、日本中の非正規社員の方々の権利のためにも、弁護活動・運動ともにしっかりとした活動をしていきたいと思っています。
 私は、自由法曹団の先生方が参加されてきたような社会的意義のある訴訟に携わりたくて、弁護士になりました。それらの事件で、先生方が、もう二度と同じ被害を繰り返させないという理想を持って闘っていらっしゃることに感銘を受けたのです。
 私も、先生方のように「勝つまでやめない」の精神で頑張りますので、これからどうぞよろしくお願いいたします。

 
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