自由法曹団 東京支部
 
 
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八王子合同法律事務所 白神 優理子


 このたび自由法曹団に仲間入りさせていただいた66期の白神優理子です。八王子合同法律事務所に所属しています。
 弁護士を志したのは高校生の頃でした。
 「戦争をなくすために何かしたい」と漠然と思っていた気持ちが、戦争体験者の方のお話を聞き、侵賂戦争がもたらした残酷な結果と、命の大切さを学ぶ中でより強くなりました。
 そして、日米政府による同盟強化の動き・再び戦争をしようとする策動があることを知って危機感を抱き、その根本原因として日米安保条約があることを学びました。
 一方で、日本国憲法の平和主義・立憲主義を学び、大学時代には様々な憲法をめぐる判例を学ぶことで、平和や人権を守るために法律の持つ力がとても大きいことを実感してきました。
 私は、日米安保条約と日本国憲法という矛盾する法体系がぶつかり合っている日本で、日本国憲法を中心とする法体系を選択していきたい、そのためにカを尽くしたいと強く思い、弁護士を目指しました。
 また、大学では労働者の権利などを中心に勉強をし、労働者を守る規制が緩和されることで人間らしく生きる権利が破壊されている状況を、法律の力で変えていきたいと強く思いました。
 そのような時に、自由法曹団の先輩方が、悪法が猛威を奮う中でも平和・人権を守るために立ち上がり、次々と画期的な判例法理を作り上げたり、世論に訴えかけ間違った政策を正したりしてこられたことを知り、自由法曹団員の弁護士に憧れを抱いてきました。
 現在、安倍政権下で改憲・戦争への体制作りがハイスピードで進んでいますが、先輩方が倍ってこられた知恵や経験を盗んで(笑)、吸収し、憲法が謳っている内容を実現するために頑張りたいと思っています。
 弁護士になってまだ4ヶ月目ですが、過労死事件を中心とした労働事件に取り組み、働く人・若者をモノのように使う大企業を全く規制しないどころか、さらに労働法制を改悪しようとしている今の政府にますます怒りを強めています。「夫は働きづめで、土日もなく子どもたちの運動会にも行けなかった。だけど自殺する前日は子どもたちを遊園地に連れて行ってくれていた。」と涙を流していた遺族の方の姿が忘れられません。労働者が働くことを喜べない今の日本社会のシステムを変えていける弁護士になりたいと強く思いました。
 弁護団事件では「原爆症認定集団訴訟」に取り組んでいます。はじめて法廷で意見陳述をし、原爆の残酷さ、原爆症を被爆の実相に則して認定してきた司法判断に国は従わず、未だに被爆者による申請を却下していることの不当性を訴えました。このような国の態度の背景には、アメリカの核戦略に依存している日本政府の方針があることを学び、改めて日米安保条約体制にしがみつく日本政府のあり方を変える必要性を痛感しています。
 さらに、弁護士になって講師活動もたくさん経験させていただきました。秘密保護法・集団的自衛権・米軍基地などのテーマで講師をさせていただいて、現在の危機的状況を伝えるだけではなく、どこに「希望の芽」があるのかを伝える大切さを実感してきました。
 「どんな状況でも希望を語るのが弁護士だ。」という事務所の先輩弁護士の言葉を忘れずに、これからも「希望の芽」を探していくつもりです。「希望の芽」はまさに、自由法曹団員の先輩方が作り上げた判例法理や運動の成果だと思い、いろいろな講師活動で紹介させていただいています。
 今後は、私自身が「希望の芽」として紹介できるような成果を作れるように、弁護士として、自由法曹団員として、頑張っていきたいと思っています。
 戦争体験者の方や、平和・人権のために活動をしてこられた自由法曹団員の弁護士の先輩方をはじめとした先達から受け取ったバトンに、「歴史の中継ランナー」として、私なりの「希望の芽」を加えて、次の世代に手渡せるような生き方をしたいと決意しています。
 これからどうぞよろしくお願いいたします。

 
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