自由法曹団 東京支部
 
 
トップページ 新入団員の紹介

団員の活動紹介

新人紹介

三多摩法律事務所 小口 明菜

 みなさま、はじめまして。今年1月に三多摩法律事務所に入所しました、小口明菜と申します。
 私が弁護士を志すことを決めたのは高校2年生、大学に進学するにあたって志望学部をどこにするか考えたときでした。漠然と社会的弱者の人権を擁護する活動に取り組みたいという思いを持つ中で、特に弁護士という職業を選んだのは、弁護士になれば直接目の前で困っている人の役に立つこともできるし、また発言力をもって社会に問題提起し、その体制を変えることもできると考えたからです。
 このように大きなことを考えて中央大学法学部に進学しましたが、恥ずかしながら、大学時代は勉強の記憶がほとんどありません。もっぱら「學生俥屋(がくせいくるまや)」という人力車サークルで、人力車を曳く日々を送っていました。サークル活動の具体的内容は、毎週末、東京近郊の公園や遊園地、商店街のお祭りなど、毎回違う場所に「神出鬼没」と称して予告なしで現れ、その場にたまたま遊びに来ていた人たちに無料で人力車に乗ってもらうというものです。また夏には、2週間以上かけて全国を回りながら合宿をし、その土地その土地で人力車を曳いていました。大学1年生でサークルに入り3年生で引退するまで、北は北海道から南は九州まで、日本全国ほとんど全ての地方に行きました。陸前の松島、丹後の天橋立、安芸の宮島といった日本三景の全てで人力車を曳き、お客さんを乗せたというのは、私のひそかな自慢です。
 大学時代の空白期間の影響もあって司法試験合格まではやや時間がかかってしまいました。弁護士登録後は、事務所で労働事件等に取り組むほか、団の先輩方が中心となって結成された「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団、第二次新横田基地公害訴訟弁護団に加入しています。
 前者の生業弁護団では、個別受任事件に取り組む一方で、先日は、国と東電の法的責任を追及する集団訴訟準備のため、沖縄に避難している方々のところへ行って説明会を行ってきました。3.11の震災のあった年に弁護士登録をした者として、原発事故の問題に関わらない訳にはいかないと感じています。被害者の声を直接聞く度に、困難なたたかいになろうとも必ず国と東電の責任を認めさせなければならないと思いを新たにします。原発問題は多くの国民が自分のこととして関心を持っているところでもありますので、国や東電の責任追及についても広く訴えかけ、反原発の動きと併せて大きな運動にしていきたいと思います。
 第二次新横田基地公害訴訟弁護団でも、現在訴訟提起の準備をしています。私は、沖縄県に次いで米軍基地の多い神奈川県に生まれ育ちました。幼い頃に祖母の家で鳴り響いていた米軍戦闘機の轟音は、今でもありありと思い出すことができます。基地の問題、そして平和に関する問題には今後も積極的に関わっていきたいと考えています。
 去る6月20日には、東京支部三多摩6月幹事会に参加してきました。情勢についての討論、比例定数削減問題や自衛隊レンジャー訓練問題への取り組みの紹介、そして多摩地域の事件や活動についての報告と、密度の濃い会議でした。国会情勢や政治課題について掘り下げた議論をしている先輩方の姿は、一般にイメージされている弁護士像とは違っているかもしれません。
 しかし、先輩方のこのような姿を見て改めて感じたのは、悪政や悪法とたたかい、また権利擁護のためにたたかうことが、やはり在野の法曹である弁護士の果たすべき役割であり、それを実践しているのが自由法曹団であるということです。
 私はまだ、人権擁護や社会正義の実現に取り組むためのスタートラインにようやく立ったばかりです。初心を忘れずに、息の長い活動をしていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 
自由法曹団東京支部 〒112-0014 東京都文京区関口一丁目8-6 メゾン文京関口U202号 TEL:03-5227-8255 FAX:03-5227-8257