自由法曹団 東京支部
 
 
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団員の活動紹介

東京の団員として 新人紹介

東京法律事務所 山添 拓

 弁護士登録から5か月。入所したばかりで暇を持て余していた頃がすでに懐かしい一方、まだ5か月しか経っていないことに驚きも覚えます。この間には、団の東京支部総会もあり、熱海で飲み明かした、いや、熱く語り合った記憶がよみがえります。
 京都出身で、大学から東京へ。
 大学では、学生自治会で学費値上げ反対を訴えていたほか、全学連・都学連にも出入りしていました。法科大学院に入ってからも、勉強もそこそこに、九条の会で3000人を集める集会(実際には1000人くらいでしたが)「Peace Night 9」にとりくんだりしました。司法試験後は、給費制存続を目指した「ビギナーズ・ネット」にも参加でき、修習開始後は青法協・7月集会と、ふりかえれば意外といろんな運動が思い出されます。
 もっとも、小さい頃から運動は苦手な方で、修習前に参加したソフトボール大会では、援軍のはずが足手まといになり、同期の面々にはさんざん馬鹿にされたものです。ただ、登山は割と好きで、先日も事務所の「山の会」で近場の山を歩いてきました。歩いた時間よりも、下山後の一献の時間の方が長かったような気がしますが・・・。
 最近は、事務所で労働事件等にとりくんでいるほか、原発被害者救済の弁護団に加わり、福島県に通っています。避難を余儀なくされた方や、土と空気を汚された生産者の話は、情報を知らされない恐怖、見えない公害の不安、責任追及にまともに答えない東電と政府に対する怒りなど、いつも涙が出そうになります。
 修習中から必ずなにかしたいと思ってきた原発事故の被害救済。被害者とともに完全賠償を求める弁護団の先頭には、いつも団の先輩方の姿があり、心強く思っています。
 ふるさとと生業を取りもどす「完全賠償」は、被害の賠償とともに、原発からの撤退が条件だと思います。首都圏でも広がりつつある反原発の動きを、被害者救済と結んだ運動にすることが、これからの課題だと思っています。
 ところで、弁護士としての活動のフィールドを東京に求めたのは、東京の役割をもっと果たしたいと思ったからです。
 昨今、弁護士人口が過剰になったと言われますが、地方ではまだ弁護士が不足していると聞きます。同期で地方の事務所に入所した者は、さまざまな案件で忙しそうです(その分、手取りもよさそうですが)。私も、京都に帰るべきかもしれません(いや、京都は地方ではないのですが)。
 しかし、日本の政治と経済と文化の中心である東京で、さまざまな運動をもっと発展させる必要があるのではないか。反原発もTPPも普天間も、そして消費税や比例定数削減も、いずれも地方に多大な影響を及ぼすにもかかわらず、東京で決められようとしています。だから、地方で発信される声に、東京で応える運動が必要だと思うのです。また、それとともに、1300万人の東京の声を具体化することは、東京のみならず日本全体に影響を与えうるものです。
 自由法曹団は、単なる法律家団体ではなく、人権と民主主義の担い手として、政治に口を出す組織だと実感しています。最近、比例定数削減や秘密保全法など、悪法に反対する集会に参加する機会がありました。また、原発問題の活動者会議や弾圧学習会にも顔を出しました。いずれも、法律家の視点で事実を把握し政策の狙いを分析され、闘志もわいてきます。自由法曹団のよさは、法廷の内外で、権力とたたかう人々を応援し、自らも政策課題にとりくむところにあると思います。
 東京支部での活動は、全国の運動を進めながら、しかも東京独自のとりくみにも責任を負うという点で、多彩でやり甲斐のあるものであると期待しています。
 末永く、よろしくお願いします。

 
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