自由法曹団 東京支部
 
 
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あかしあ法律事務所 市野 綾子


1 弁護士になって
 実務に就いて半年になろうとしていますが、今思うことは、弁護士になって良かったということです。この半年間に、従来の生活では縁のなかった数々の事柄に直面しました。被疑者・被告人、離婚の当事者、沖縄の基地問題等、これらの人びとや事柄から、多くの社会問題が渦巻いていることを実感しました。そうして今、弁護士としての資格をもつということの社会に対する責任の重さ、また、それゆえにこの資格を生かして様々な社会問題を考えることの重要性を感じています。

2 事件をきっかけに感じたこと
 最近は、刑事被告事件にかなりの時間と労力を費やしています。なかなか上手くいかないことだらけの中、大変感動したことがありました。思いもよらず、勾留中の被告人から手紙をいただいたのです。その手紙を読んで、私は、この被告人の更生の意思が揺らぎないものであることを感じました(文面は大変感動する内容ですが、秘密です)。この被告人は、前科が多数ある等恵まれない生活を送ってきただけに、私はこの手紙に大変感動したのです。
 しかしながら、現実は相当厳しく、刑務所出所者の就職には大変な困難が伴うことが予想されます。当然のことですが、被疑者・被告人の更生のためには、住宅や就職口を確保することが不可欠です。それにもかかわらず、これらの者の住宅支援や就職支援といった制度は甚だ不十分であるのが実情です。このような制度を拡充することは、被疑者・被告人の更生すなわち再犯防止につながりますから、社会全体にとっても必要性が高いはずです。

3 活動を通して感じたこと
(1) 去る4月25日、沖縄県民大会に参加してきました。私はこの大会に参加するまでは、沖縄の人々にとって基地がどんな存在なのかということについて、具体的なイメージをもてていませんでした。
 そして今回沖縄に行ってみて、沖縄の人々にとって、基地は恩恵を受ける側面や弊害を被る側面を含め生活の一部であること、その上で、沖縄の人々は、基地はいらないという意思表示をしているのだということがわかりました。今私は、基地はいらないという沖縄の人々の民意の重みをひしひしと感じています。
 また、辺野古の沖合に基地を建設することは、ジュゴンをはじめとする沖縄の生態系にも重大な影響を与えます。沖縄の人々の圧倒的な民意に反するとともに、絶滅危惧種のジュゴンの餌場を奪い、沖縄の美しい自然を破壊してまで基地を建設することについて、粘り強く問題提起をし続けることの重要性を感じています。
(2) また、去る5月1日は、メーデーに参加してきました。暑い日差しが照りつける中、老若男女の労働者の人々が、「ガンバロー」と声をあげて団結していた光景には圧倒されました。本当に頑張ろうとしている人たちによる「ガンバロー」という宣言です。その後はデモ行進に加わり、ゴールまで無事行進しました。
 私は未だ労働事件を扱ったことはありませんが、メーデーで見た光景を思うと、労働問題に無関心ではいられません。
 今後とも日々勉強を積み重ねて参りたい所存ですので、皆さまどうぞよろしくお願い申し上げます。

 
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