自由法曹団 東京支部
 
 
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城北法律事務所 茨木 智子


 弁護士業務を始めてから丸12ヶ月になりました。
 ワークライフバランスが注目される昨今、事件や相談を通して垣間見るさまざまな生き方・仕事のあり方に刺激を受けています。
 弁護士になろうとしたきっかけは、普通の人が普通に暮らしていくために、少しでも不安を減らす手伝いができれば…と考えたからですが、私の考えはあさはかでした。
 毎日たくさんの人と会い、その人を通じてまた多くの人と出会いますが、その中に「普通の人」などひとりもいませんでした。ひとりの人生の中に、大きな山や谷があって、10年、1年、1日の中にもいろいろな出来事がある。それに対する感じ方も行動も実にさまざまです。同じ出来事でも人によって、また、同じ人でも時期やタイミングによって、受け止め方がまったく異なります。「普通」という物差しでは何も計れません。
 当たり前かもしれませんが、その当たり前のことに今更ながら気が付いた次第です。
 事務所の先輩弁護士の言葉で印象に残っているものがあります。
「人はいいことをしたいと思う生き物なんだよ。」
 誰かのためにいいことをしたい、というのが、行動の根本にあるのだという考え方です。多くの人が誠実に、良心的に仕事をして暮らしていることは間違いないだろうと思われます。しかし、何らかの原因でそうすることのできない状況が生まれたときに、事件や紛争が起こってしまうと考えられます。
 私は、この言葉どおりであってほしいと思いながら仕事をしています。  事件の中で迷ったときは立ち止まって考えるようにしています。たとえ、紛争の相手でもどこか根本にはその人の思ういいことがあるのではないか、誰かにとってのいいこと、快適なことは何なのかを考えるように心がけています。
 冒頭に12ヶ月と書きましたが、私はまだ弁護士としてこなした事件数が少なく、人生の経験も浅く、物事を知りません。それでも依頼者は弁護士としての私に悩みを打ち明けます。依頼者の中には力強く戦うことを好む人もいますし、謙虚で遠慮がちな人もいます。それぞれの人の世界が交錯しながら無限に広がっています。
 何を生活の軸におくか。どんな生き方をしたいか。
 仕事も生き方もいろいろな選択肢があることを、お互いに認め合える世の中に変わってきました。依頼者の話を聞きながら、私自身の生き方を模索しているところです。体力に自信がなく、まだ不安なことばかりですが、少しずつ前進していけるよう頑張りますので、今後ともよろしくご指導ください。

 
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