自由法曹団 東京支部
 
 
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旬報法律事務所 三枝 充


 平成21年1月に事務所に入所して弁護士としてスタートを切ってから、もうすぐ1年が過ぎようとしている。
 労働事件に取り組みたいと思って今の事務所の門を叩いたわけだが、実際、この1年間の仕事を振り返ると、仕事の6割以上が労働事件(労働側)であり、非常に楽しく仕事をさせてもらった。
 もちろん楽しいことばかりではなかった。最初に担当した労働事件は、諸事情により、労働審判で解雇有効を前提とした調停案を受諾することになった。この時の悔しさは忘れられない。最初に担当した労働事件ということもあるのだろうが、訴訟戦略上、問題があったのではないかと思い悩み、その日はなかなか眠れなかった。ただ、依頼者にはそれなりに満足していただき、後日、依頼者と打ち上げを行い、文句を言いながら憂さを晴らせたのが唯一の救いであった。
 このように苦いスタートとなったわけだが、しかし、だからといって仕事が辛いというわけではない。むしろ、その逆である。私は他職を経験してから弁護士になったが、「こんなに楽しい仕事があったのか!」と心の底から思う毎日である。あまりに楽しくて、仕事中毒にならないように自制するほどである。
 2年目の目標としては、個別の事件処理に加えて、もう少し広く運動や人権活動に参加していきたいと思う。自由法曹団の諸先輩は、自分よりもはるかに多数の仕事を抱えているはずなのに、個別事件だけにとどまらず大局的な運動や人権活動に取り組んでおられ、その姿にはいつも感服させられる。
 まだまだ先は長いが、一年経とうとする今、あらためて自分が弁護士になった時の気持ちを思い起こし、一歩一歩前進していければと思う。

 
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